たまたまTwitterで見かけた山口周さんの著書『外資系コンサルの知的生産術』という本がものすごく刺さりました。
『外資系コンサルの知的生産術』では知的生産のための99の心得が紹介されているのですが、その心得の1つに独学するという項目があります。
山口さんは独学に関する『知的戦闘力を高める独学の技法』という本も出されていたので読んでみました。
『知的戦闘力を高める独学の技法』は地頭を鍛える
『知的戦闘力を高める独学の技法』は早く本が読めるとか一度読んだら忘れないみたいな、いわゆるハウツー本ではありません。
ベクトルとしてはまったく逆。地頭を鍛えるための方法論です。なので正直、即効性はありません。
でもそのかわり身につければ効果は絶大。それは著者の山口さんの経歴をみればよくわかります。
著者の山口周さんについて
著者の山口周さんは電通やボストン・コンサルティング・グループなどで活躍した知的生産の専門家です。が、山口さんの専攻は大学時代が哲学、大学院時代が美術史と、ビジネスではまったく役に立たなそうな分野。
そんな山口さんが知的生産分野で素晴らしい成果を挙げられた秘密は、独学にあるそうです。
『知的戦闘力を高める独学の技法』の内容について
私がこの『知的戦闘力を高める独学の技法』を読んで気に入ったポイントを3つ紹介します。
覚えなくていい
『知的戦闘力を高める独学の技法』の一番のポイントは「覚えること」を目指さないということです。
本で読んだ知識を覚えても、そのままの知識がビジネスの現場で役に立つことは少ない。
しかも、そもそも人間は忘れっぽい生き物です。覚えることを前提にした勉強ではなく、覚えないことを前提にした勉強のほうが効率的というのが著者の考えです。
イノベーションを起こしたい人にオススメ
タイトルにあるとおり、この本のテーマは単なる独学の技法ではなく、知的戦闘力を高める独学の技法です。では、知識戦闘力とはなにか。
一言でいうと新しい価値を生み出す力です。
本に限ったことではないですが、私たちが外から得られる情報は誰かが作った既存のものだけ。既存の知識をそのまま使っても新しい価値は生まれません。
一方で、新しい価値をまったくのゼロから生み出すことも当然ムズかしい。そんなことができるのは一握りの天才だけです。
でも、凡人でも既存の知識をもとに新しい価値を生み出すことはできる。
そのための方法論が『知的戦闘力を高める独学の技法』です。
オススメ書籍が99冊も紹介されている
『知的戦闘力を高める独学の技法』では、知的戦闘力の向上には教養が大事だと述べられています。でも、教養を高めるにはどんな本を読んだら良いか、いまいちイメージしにくい人もいると思います。
この本では著者オススメの教養書が11ジャンルで99冊も紹介されています。
中には「こんなジャンルも?」と思うジャンルもありました。でも、今まで未開拓だったジャンルだからこそ新しい教養を育むということはありそうです。
また、紹介されている書籍のほとんどが古典や名著と言われているもの。
一過性の知識じゃなく、普遍的な教養を身につけることができそうだと感じました。
まとめ
『知的戦闘力を高める独学の技法』は知的生産の専門家が実践する独学法です。地頭を鍛える方法論だから、どんな分野でも役に立つ知性が得られると思います。
興味があればご一読ください。
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